2024年05月28日
浜松まつりと近況
新年度の慌ただしい日々が過ぎ、
少しほっとできる時間が増えた方も
多いのではないでしょうか。
今年は全国的に桜の開花が大幅に遅れ、
5月に入ってからも気温は乱高下。
体調管理に気を遣う時期ですね。
季節の変わり目の疲れを引きずらずに
元気にお過ごしください。
さて、今回のテーマは「浜松まつりと近況」です。今年はコロナ禍で自粛していた浜松まつりが5年ぶりにフル開催されました。完全復活とあって、人出は過去2番目に多い約245万3000人。観光客も多く訪れ、宿泊業や飲食業の売り上げが良かったそうです。これも一種のインバウンド。市外からたくさんの人を呼び込み、活気を増やす浜松まつりは、経済効果が抜群だと思います。
今年の浜松まつりに参加した感想は……とにかく感慨深かったです。やはり、自粛なしは良いですね。これまでを振り返ってみたのですが、自分が子どもだった頃の浜松まつりを思い出しました。昔、旧浜松市だった頃は、静岡大学近くの和地山練兵場の跡地である和地山公園で凧揚げをしていました。その後、浜北や天竜など隣接するまちと合併後は、参加町がどんどん増えて規模が拡大し、中田島砂丘へ会場を移しました。子ども心に、盛り上がる大人たちが羨ましく、自分が参加するようになってからは、そのおもしろさを体感し、毎年の楽しみになったように思います。準備から本番、片付けまで、すべて自分たちの手で行う浜松まつりは、人と町のつながりを深めてくれるかけがえのない行事です。
現在、私の住まいがある町は250世帯ほど。若者の参加率が年々減少しています。準備はとにかく力仕事が多いので、若手が減ると体力的な負担が増えます。なにより、戦国時代の永禄年間以来の伝統を絶やしてはいけません。これからも浜松まつりが長く続いていくよう、若い人たちにも魅力を伝えていきたいと思います。
さて、本業についても少しお話しします。新築戸建て住宅の着工数ですが、今年は過去最低の80万戸を下回ると予想されています。一番多く建っていた頃は160万戸だったので、なんと半分以下です。日本全国の中でも静岡県は着工数が少なく、西部エリアは更に少ない状況です。そんな中でもパワービルダー(土地付きの規格住宅を販売している業者)は売上を増やしているようですが、地域に根差した地元の工務店は依然厳しい状況です。売上が好調なのは価格を安くしている会社ですが、このままでは値下げ競争が激しくなる一方なのも懸念事項です。
浜松まつりしかり、会社経営しかり、共通する課題の一つに、後継者問題があります。特に、家づくりに関しては、職人の技術の継承の危機が、以前からずっと言われ続けています。大工さん、左官屋さん、瓦屋さん、塗装屋さん、内装屋さん……、家づくりには多くの職人さんの技術が必須。いくら工場生産率が上がってきているとは言え、現場で動く人の力が不可欠です。高齢化による職人や後継者不足の解消を望んでやみません。
このコラムでも毎回のように述べていますが、今、この業界は新たな事業領域の開拓・拡大が急務です。弊社も、温めている事業があり、立ち上げを目指しています。良いご報告ができるように、これからも邁進します!
(2024年5月15日 記)
- 名前
- 原川誠