原川ボス 今月のコラム

2025年11月28日

非日常の旅と2026年に向けて

11月に入り、街路樹の色づきが深まってきました。
今年は平年よりも気温が高い日が続いた影響で、
紅葉の見頃が遅れているようです。
朝晩の冷え込みに、冬の足音を感じるこの頃、
気づけば、今年も残すところ1か月余りとなりました。
年末に向けて慌ただしくなる時期ですが、
インフルエンザの流行も始まっていますし、
手洗いやうがいなど、日々の予防を心がけながら、
元気に乗り切りたいものです。

さて、今回のテーマは「2025年を振り返って」です。2025年もあっという間の一年でした。「子どもは1年を長く感じる」とよく耳にします。フランスの心理学者ジャネーが提唱した「ジャネーの法則」によると、人生の中で経験した時間の割合が、体感の長さに影響するそうです。1歳の子にとっての1年は、まさに人生のすべて。でも、今年で70歳になる私にとっては、人生の70分の1にも満たない。時間の流れが加速しているように感じます。
そんな中、久しぶりに海外へ行きました。問屋さん主催の研修旅行で、行先はグアムです。新型コロナ感染拡大の頃からずっと海外に出ていなかったので、もう何年ぶりか思い出せないくらい久しぶりで、飛行機に乗るだけで非日常を感じました。空港の仕組みも、出入国のルールもデジタル化が進んでいました。
初日はアドベンチャーツアーに参加。船で川を遡り、ジャングルのような森の奥へ。木の上にいた1メートルはありそうなオオトカゲも見ました。原住民の生活跡や遺跡のような場所を訪れ、ココナッツジュースをその場で飲む体験もしました。小屋のような場所で食べた昼食は、ケチャップご飯のような見た目の赤いご飯(ケチャップ味ではない)と鶏肉、バナナのココナッツミルク漬けなどの郷土料理のようなメニュー。日本では出会えないものばかりで、そういった食事も旅の醍醐味ですね。
二日目の予定はイルカウォッチングでした。グアムの海は一年を通して水温が高く、イルカが暮らすのに理想的な環境だといわれています。野生のイルカに出会える確率も高いと聞いていたので、楽しみにしていました。残念ながらイルカの姿は見られませんでしたが、代わりに透き通る海を悠々と泳ぐウミガメを見ることができて、その光景に感動しました。
滞在中、驚いたのは物価の高さです。500mlの水1本200円、カップ麺900円、ハンバーガーショップの小さなハンバーガーが1500円、コーヒー900円……。アウトレットに行っても「全然安くないな」と感じるほどで、円安の影響が肌感覚で迫ってきました。
ここで職業柄、つい「家の値段」にも考えが及びます。海外の物価が上がれば、輸入建材も高くなる。結果として、日本の住宅価格も上がる。実際、住宅価格は以前の1.5倍です。特に浜松は輸送機器メーカーが多い地域なので、トランプ政権の関税ひとつで、社員の生活マインドが変わり、財布の紐が固くなり、我々の売り上げにも直結します。グアムの水200円は笑い話ではなく、私たちの現実の延長線上にあるのだと実感しました。
2026年は、会社にとっても、70歳を迎えた私自身にとっても、節目の年になるといいなと考えています。これまでのやり方を大切にしながらも、次のステージへ進むために、新たな仲間を迎え、次の体制づくりに取り組みたいと思っています。
明るくて、元気な方に来ていただけたらありがたいです。経験は問いません。半年もすれば、誰でもしっかり戦力になりますし、新しい風が入ることで、職場の空気も自然と引き締まります。中小企業にとっては、一人の入社が大きな変化を生むものです。
そして私自身は「次の世代へバトンを渡す」意識が一層強まっています。まだ健康で自由に動ける今だからこそ、未来へ向けた次の一手を打ちたいです。
最後になりましたが、今年も大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願い致します!
(2025年11月10日 記)

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原川誠
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2025年09月29日

防災月間到来

9月も半ばを過ぎ、ようやく朝晩には
秋の気配が感じられるようになりました。
あっという間に今年も残り3か月弱です。
夏の疲れが残っている方も多いかもしれませんが、
なるべく無理せず過ごしたいですね。
また、巷ではコロナの感染者が増加しているようです。
罹患しないように体調管理に気をつけていきましょう!

さて、今回のテーマは「防災月間到来」です。猛暑の夏を経て、今年も防災の日(9月1日)を迎えました。今年は日本各地で豪雨をはじめとする自然災害が相次ぎましたね。身近なところで言うと、静岡県牧之原市では9月4日に竜巻が発生し、住宅の屋根が飛ばされる、電柱が倒れるなどの甚大な被害が出ました。気象庁によると、竜巻の規模は過去最高クラスと推定されており、突風による被害の危険性が改めて注目されています。気候の不安定さが増す中、私たちの暮らしも災害への備えを見直す時期かもしれません。
静岡県は、こうした自然災害への備えが昔から進んでおり、特に住宅の耐震基準が厳しいことで知られています。その背景にあるのは、「南海トラフ地震」への警戒です。静岡県は、「安政東海地震(1854年)」や「昭和東南海地震(1944年)」など、過去に南海トラフ沿いで大地震が発生した地域です。そのため、国の基準に加えて県独自の耐震診断制度や補助制度が早くから整備されてきました。
全国的に知られているのは2001年に立ち上げられた木造住宅の耐震化プロジェクト「TOUKAI-0」ですが、それ以前から、耐震化への取り組みが進められていました。1978~1980年にかけて、木造住宅の耐震診断基準及び改修設計指針、RC造建築物構造設計指針などを独自に整備。さらに「わが家の専門家診断事業」では、電話で申し込める無料診断制度を導入し、住民の意識向上に貢献してきたのです。
こうした県の取り組みに加えて、浜松市では地域ごとの「自主防災隊」も大きな役割を担っています。「自主防災隊」とは、町内会や自治会を母体とした住民主体の防災組織。災害時の初動対応や避難誘導、安否確認などを行う体制が整えられています。私が暮らす地域では、これまでに消火器の使用訓練や放水訓練、炊き出しの実習などが行われ、実践的な備えを進めています。また、何年かに一度、賞味期限が近づいた保存食や水を住民に配布する活動もあり、備蓄品の循環と防災意識の向上に役立っています。
自然災害はいつ、どこで起きるかわかりません。だからこそ、日頃からの備えが何よりも大切です。住宅の耐震化を見直すのはもちろん、地域の防災活動への参加や、自分自身の意識を高めることなど、それぞれの備えが少しずつでも進んでいけば、安心につながっていきます。他人事ではなく自分事として、防災について考えていきましょう! 
(2025年9月17日 記)

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原川誠
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2025年07月30日

季節の変化、まちの変化

7月4日、東海地方は梅雨明けを迎えました。
平年より15日早く、昨年より14日早いという、
統計開始以来3位タイの早さだったそうです。
今年も、平年より気温が高い傾向にあるようですね。
すでに猛暑日のニュースが続いています。
皆さま、水分補給や涼しい環境の確保に気を配り、
体調には十分気をつけてお過ごしください。

今年は、セミの声があまり響いていない気がしませんか。どうやら猛暑や環境の変化の影響で、羽化の時期が遅れたようです。セミの鳴き声が聞こえないと、季節の移り変わりがどこか曖昧に感じられますね。とはいえ、気温はすでに真夏並み。なんだか少しチグハグな、そんな夏の始まりです。
さて、今号のテーマは「仕事の変化、街の変化」です。まずは仕事について。新築戸建て住宅向けの建材市場は、昨年よりはやや回復傾向が見られますが、依然として厳しい状況が続いています。毎年住宅の着工数そのものが減り続けている中で、今年度に関して言えば、4号特例改正による建築基準の厳格化が大きな影響を与えているようです。この改正は4月から適用されたため、駆け込み需要が見込まれていた3月を過ぎて、近頃その影響が現れてきているところです。ただ、弊社では駆け込みによる顕著な動きは少なかったため、今のところ大きな変化は感じていません。
このコラムでも以前からお伝えしていますが、これからは住宅だけでなく、店舗や工場、倉庫などの「非住宅」分野への対応が重要になってきます。市場はすでに成熟していて参入は容易ではありませんが、設備投資が盛んな分野なので、可能性は十分にあると考えています。いろいろな課題はありますが、機会を見つけながら進んでいけたらと思っています。
次に、浜松を外側から見て感じたことについて。先月は、静岡市へ2度足を運ぶ機会がありました。静岡駅周辺はにぎやかな商店街が広がり、日暮れを過ぎても多くの学生や家族連れが行き交い、浜松とはまた違った街の表情を感じました。浜松は製造業の根づいた都市であること、静岡市は官公庁が集まる都市であること。この差が大きいような気がします。
しかし、これから浜松駅周辺も、変化していくかもしれません。というのも、スズキが駅南エリアに約6000平方メートルの土地を取得したり、常葉大学が同じく駅南エリアに新キャンパスへの移転を予定していたりと、新たな人の流れが生まれる兆しが見えてきたからです。若い世代が増えると、街の景色もぐっと変わっていくように思います。今後の展開が楽しみです。
最後になりますが、6月下旬には大阪万博に行ってきました。仕事で関わりのある方々とともに向かったのは、国連のパビリオンです。国際連合創設80周年を記念し、「人類は団結したとき最も強くなる(United for a Better Future)」をテーマに構成されており、国連の活動やSDGsを親しみやすく伝える展示が印象的でした。会場を歩いていたら、前回万博を訪れた時の記憶がふとよみがえり、懐かしくなりました。今回は外国からの来場者がとても多く、円安の影響やインバウンド需要の高まりなど、時代の動きを肌で感じる機会にもなりました。会期中に、もう一度個人でも訪れてみたいと思っています。
仕事や旅で一時的に日常を離れると、あらためて自分が暮らす浜松のことを考えるきっかけになります。仕事だけでなく、街の変化にも目をこらしながら、これからもしなやかに前へ進んでいきたいと思います。
(2025年7月7日 記)

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